作品: Works:
テーブルと建具のリノベーション
Flying Table & Two Fittings

kohinata01kohinata02kohinata03kohinata04kohinata05kohinata06

室をまたぐ造作
台地の南斜面に建つ築30年のマンションのリノベーション。4階建ての2階の東端を占める住戸で、地形でも区画においても周囲から張り出した小さな岬のような位置にあり、広い眺めと谷に沿う風が年間を通して得られる。しかし住戸の中心には閉じたキッチンがあり、好立地がもたらす周囲との繋がりが部屋ごとで完結し、そのことがかえって住戸全体の不連続性を強調していた。
ここに大きなテーブルと2枚の建具を新設することで家の連続性と可変性を得る。
キッチンとリビング・ダイニングの仕切りをとり払い、新たなワンルームの中心に大きなテーブルを設置する。調理と食事の場が背を向けたり、カウンターをはさんで相対する関係ではなく、くつろぎながら作り、作りながら食べるような、調理と食事が移り変わっていく繋がりがこの場所に相応しい気がした。テーブルに調理スペースを設け、キッチン側には二人が調理してもぶつかり合わない広いスペースをとり、さらにその周りをL字のカウンターでとり囲んだ。テーブルは既存のRC壁からキャンティレバーで持ち出し、四辺を区切る脚をとり去る。それによってテーブル周りの行為の自由度と連続性がさらに増した。
ストライク(受け座)が複数あるフロアヒンジの扉は、閉じ方によってキッチンが別の部屋とつながり(つまり閉じると同時に開き)、テーブルを中心とした居場所に広がりをもたらす。同時にもう一枚のフロアヒンジの扉がその角度によって、南北面、東面の窓からの風を流し、光を反射して室内に満たし、岬の広い環境と家を繋いでいる。

所在地:東京都文京区
主要用途:マンション リノベーション
家族構成:夫婦+子供1人

設計:松岡聡+田村裕希
構造:鈴木芳典構造事務所

施工:栄建

主体構造:RC造
階数:地上4階地下1階 2階部分
敷地面積:824.22㎡
専有面積:82.33㎡
バルコニー:7.77㎡

撮影:松岡聡田村裕希 動画撮影:西尾圭吾

Architect:
MATSUOKASATOSHITAMURAYUKI - Satoshi Matsuoka, Yuki Tamura, principals-in-charge

Consultants:
Yoshinori Szk Structure design Office - Yoshinori Suzuki, structural
General contractor: Eiken

Structural system: RC

Site area: 824.22m2
Exclusive area: 82.33m2
Terrace: 7.77m2
Design: 2015.04 - 2015.06
Construction: 2015.06 - 2015.07

Photos: MATSUOKASATOSHITAMURAYUKI
^